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第2回 西洋医学から見た不妊リスクとその対策“年齢と月経に注目して”

「年齢と月経からみる妊娠のリスク ― 西洋医学で知っておきたい妊活の基本」

「妊活を始めるなら、まず身体のことを知っておきたい」
そんな方に向けて、今回は西洋医学の視点から見た不妊リスクを解説します。

妊娠のしやすさ(自然妊娠率)は、年齢と月経の状態に大きく影響を受けます。
35歳を過ぎると卵子の老化が進み、妊娠率が低下し、流産率が上昇することが多くの研究で示されています。
しかし「まだ大丈夫」と思っているうちに、体の変化は静かに進行します。

この記事では、

  • 年齢と妊娠率の関係
  • 月経周期からわかる身体のサイン
  • 妊活のスタート時に知っておきたい検査・セルフチェック
    について、科学的なデータをもとに解説します。

未来の選択肢を広げるために、まずは「知ること」から始めましょう。

🔹1.年齢と妊娠率の現実

女性の妊娠率は、20代前半をピークに、30代半ばから徐々に低下します。
1986年に米国のMenkenらが報告した研究によれば、35歳を過ぎると自然妊娠率は急激に低下し、40歳を超えるとその確率は20代の約半分以下になります。

Menken J, Trussell J, Larsen U. Age and Infertility.Science 1986  (不妊予防のためのマニュアル NPO法人日本不妊予防協会編 母子衛生研究会. 母子保健事業団. 東京. 2008. p21に記載されたデータから作成)

卵巣内の卵子の数は出生時にすでに決まっており、加齢とともに減少。
また、残っている卵子も酸化ストレスや染色体異常の影響を受けやすくなります。
つまり「年齢=卵子の質と量」に関わる最も大きな要素なのです。

2.月経周期が教えてくれる身体のサイン

月経は、体内のホルモンバランスや卵巣機能を映し出す“鏡”です。
周期が極端に短い・長い、経血量が少ない・増えている、といった変化は、ホルモンの乱れや排卵の問題を示すことがあります。

  • 月経周期が短い(24日以下):卵胞期が短縮し、卵子が十分に成熟していない可能性
  • 月経周期が長い(35日以上):排卵が起こりにくく、黄体機能不全のリスク
  • 経血量が減少:子宮内膜の発育不全、ホルモン低下のサイン

月経日記をつけ、自分のリズムを把握することは、妊活の第一歩です。

年齢×月経に注目して不妊リスクマトリックスで現わしてみました。

図の見方

年齢は、不妊相談の目安で使われる35歳で二分し(真ん中を境に左側が35歳以下の若年、右側が35歳以上の高年で現わしました)、月経状態は「規則的で良好(排卵ありと想定)/不規則・問題あり(排卵障害や過多出血など)」に二分すると、図の左上を「若年(<35歳)+月経良好」、左下を「若年(<35歳)+月経不良」、右上を「高年(≥35歳)+月経良好」、右下を「高年(≥35歳)+月経不良」に分類し、それぞれの「予後」「時間軸」「推奨検査」「対応例」を記載しました。

西洋医学的視点からみた妊孕力と対処法 年齢×月経の4象限モデル

簡単にまとめると

〇若年・月経良好:月経が整っているため妊娠のチャンスは比較的高いです。まずは生活やタイミングを整えてゆっくり試していきましょう。必要な検査は簡単です。

〇高年・月経良好:月経は整っていますが、年齢により卵子の力は徐々に下がります。早めに詳しい検査や治療(IVFなど)を考えることをお勧めします。

〇若年・月経不良:月経に乱れがあることが妊娠しにくい原因かもしれません。ホルモン検査や生活習慣の見直しで改善する可能性があります。

〇高年・月経不良:妊娠の難易度が高まる組み合わせです。急いで詳しい検査と生殖専門のご相談を進めるのが安全です。一緒に選択肢を整理しましょう。

妊活に対する考え方は、個人により大きく異なります。これは、あくまでも医学的な視点から考えられる対応策です。妊活でご相談を受けたときに、その方にとって現在考え得られる最良の方法を一緒に考える際の道しるべとしてします。

3.妊活を始める前に知っておきたい検査

不妊治療の前に、次のような基本検査を受けておくと、リスクを早期に発見できます。

これらは不安を煽るための情報ではなく、
「今の自分の状態を知り、正しく整えるための道しるべ」です。

4.知ることは、備えること

妊娠は「努力で必ず報われる」ものではありません。
しかし、自分の身体の現状を理解し、ライフプランと照らし合わせることで、後悔しない選択ができるようになります。

せりえ鍼灸室では、東洋医学の視点から、月経や体質の乱れを整え、
西洋医学的検査結果との整合を大切にしながら、自然な妊娠力を支えるサポートを行っています。

まとめ

  • 年齢とともに卵子の数と質は低下する
  • 月経周期はホルモンバランスと卵巣機能のサイン
  • 自分の体を知ることが、最善の妊活戦略になる

この記事の内容について、動画でもわかりやすく解説しています。
初めて鍼灸を受けるか迷っている方にもおすすめです。
文章では伝えきれないポイントもお話ししていますので、ぜひこちらもご覧ください。
YouTube動画はこちら

次回は、東洋医学の視点から見た不妊リスクとその対策をお伝えします。
身体を整える力を高める東洋医学的セルフケアの考え方を紹介します。


せりえ鍼灸室は、東洋医学の知恵と繊細な技術で、妊娠中だけでなく、その他のステージの女性のからだや妊活もサポートしています。
© 2025 Yoshihiko Koido. 本記事の内容の無断転載・引用を禁じます。

院長 小井土善彦

全日本鍼灸学会認定鍼灸師。京都市生まれ。 ●略歴 旧早稲田鍼灸専門学校卒業 明治国際医療大学大学院鍼灸学専攻博士課程前期(修士)終了(鍼灸学修士) 筑波技術大学客員研究員(2014年~2017年) 全日本鍼灸学会認定委員会審査委員(2014年~) 現代医療鍼灸臨床研究会会員(評議員) ●教育 神奈川県立衛生看護専門学校 助産師学科 非常勤講師 (2008年~) 森ノ宮医療大学保健医療学部 鍼灸学科 非常勤講師(2009年~2016年) 東京有明医療大学保健医療学部 鍼灸学科 非常勤講師(2016年~) ●所属学会 全日本鍼灸学会、日本母性衛生学会、日本東洋医学会、日本脳神経外傷学会 ●主な研究テーマ 産婦人科領域における鍼灸治療の研究 軽度外傷性脳損傷および軽度外傷性脳損傷に対する鍼灸治療に関する研究 ●趣味、特技 スキー、音楽鑑賞、読書、写真、旅行、ドライブ、釣り、シュノーケリング、キャンプ、ハイキング、料理、ショッピング、昼寝・・・

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