—エビデンスから読み解く「安心の理由」—
妊娠中の不調は、肩こり・腰痛・つわり・むくみ・不眠・逆子など、多岐にわたります。肩こりや腰痛は鍼灸の適応症状であり、つわりや不眠にも効果が期待できそうです。
その一方で、「妊娠中に鍼灸を受けても大丈夫?」「流産につながるツボがあるって聞いたけど・・・」と、不安の声をいただくことも少なくありません。
せりえ鍼灸室(桜木町)は30年以上にわたり、妊婦さんのケアに特化して経験を重ね、医療機関との連携や臨床研究、教育活動を通して“安全に受けられる妊娠期の鍼灸”を追求してきました。
助産師資格をもつ鍼灸師も在籍し、妊娠期特有のリスクをふまえた施術にも対応しています。
「妊娠中の鍼灸は危険?」まずはエビデンスから
妊婦さんの鍼灸には、古くから注意点が整理されてきました。
●WHO(1999)
・妊娠初期の下腹部・腰仙部への刺鍼は避ける
・妊娠3ヵ月以降は、強刺激・響きの強い施術・耳鍼などは避ける
●全日本鍼灸学会「安全対策ガイドライン」(2020)
・流産・早産を誘発しないよう、妊婦への施術は“強刺激を避けることが必須”
・腹部周囲は特に注意
インターネット上では「流産のツボ」のような誤解も見られますが、その根拠は不確かです。
当院のスタッフも執筆に携わった専門書「イラストと写真で学ぶ逆子の鍼灸治療 第2版」でも、この点は詳細に解説されています。

最新研究が示す「安全性」
近年の研究では、以下のように妊娠中の鍼灸は大きな問題が起きにくいことが示されています。
●Moonら(2020・韓国)後ろ向きコホート研究
対象:妊娠確認された20,799人
結果:鍼治療群と対照群で「早産」「死産」に差はなし
→妊娠中の鍼灸は安全性が高く、不快症状の緩和に有用
●Park(2014)システマティックレビュー
報告された有害事象は「出血・血腫・倦怠感」など軽度
重篤なトラブルはなし
海外では医師が鍼灸を行う国もあるため、海外の研究結果を読む際には、日本の〈開業鍼灸師が施術する〉環境とは前提が異なることを踏まえておく必要があります。
とはいえ、2007年に出版された鍼灸医療安全ガイドラインでは「妊婦の愁訴などに対して臨床効果が知られている。この場合は、医師の診療を優先させ、且つ施術にあたっては十分な説明を行い、同意を得て、細心の注意をはらい行う。」と記載されています。したがって、産科学を学び医師と連携している鍼灸師が特段の注意を払えば、施術は可能と考えることができます。
せりえ鍼灸室が大切にしている「妊娠中の安全性」
そこで、当院では以下を徹底しています。
・医療機関との連携(産科医・助産師との協力体制)
・より細い日本製ディスポ鍼の使用
・日本製の灸具(安全基準の明確なもの)を採用
・熱さ・痛みを極力減らす施術技術
・“肌に触れないお灸”など、妊婦さんにやさしいツールの活用
・臨床研究や執筆活動による専門性の継続的向上
・助産師資格をもつ鍼灸師による妊娠期の安全管理
妊娠は、ただでさえ心も身体も揺れやすい時期。
しかも、薬物の使用に制限がある。
だからこそ、安心して任せてもらえる治療院でありたい——。
その想いを大切に、私たちは“安全な妊娠期の鍼灸”を追求し続けています。
次回予告
第3回は、「妊娠中の“冷え”“むくみ”はなぜ起きる?」をテーマに東洋医学からみる妊婦のからだの変化について解説します。
せりえ鍼灸室は、東洋医学の知恵と繊細な技術で、妊娠中をはじめ、その他のステージの女性のからだや妊活もサポートしています。
© 2025 Yoshihiko Koido. 本記事の内容の無断転載・引用を禁じます。
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