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【シリーズ第6回】お腹が張りやすい・眠れない・不安…

妊娠中の“よくある不調”と鍼灸のサポート ―

妊娠中の「よくある不調」、我慢していませんか?

妊娠中は、赤ちゃんの成長とともに体と心に大きな変化が起こります。
「お腹が張りやすい」「眠れない」「理由もなく不安になる」―
これらは多くの妊婦さんが経験するマイナートラブルですが、決して“気のせい”や“我慢すべきもの”ではありません。

大切なのは、注意すべきサインを見逃さず、安心できるケアを上手に取り入れることです。

お腹が張りやすいとき まず知っておきたいこと(西洋医学の視点)

妊娠中のお腹の張りや痛みは、

  • 子宮外妊娠
  • 切迫流産・切迫早産

など、重大なトラブルのサインとして現れることがあります。そのため、注意深く観察することが重要です。

一方で、特に異常がない場合でも張りを感じることはよくあります
その多くは、

  • 大きくなった子宮による周囲臓器への圧迫
  • 便秘
  • ストレス
  • 動きすぎや疲労

といった、生理的な変化が関係しています。

横になって安静にするとおさまる張りであれば、過度に心配する必要はありません。
しかし、

  • 安静にしてもおさまらない
  • 次第に強くなる
  • 少量でも出血を伴う

このような場合は、すぐに医療機関へ連絡し、指示を仰ぎましょう

参考図書:「35歳からの はじめての 妊娠・出産」笠井靖代監修 ナツメ社2007年

鍼灸ではどう考える? 「張り」を体全体のサインとして捉える

東洋医学では、お腹の張りを子宮だけの問題としては捉えません
血流や自律神経の乱れ、冷え、緊張状態など、体全体のバランスの乱れが局所に現れていると考えます。

鍼灸では、

  • 下肢やお腹から離れたツボを中心に
  • 自律神経の調整機能に働きかけ
  • 血流を促し
  • 緊張をやわらげ

身体が自然にゆるむ状態をサポートしていきます。

※もちろん、医学的に問題が疑われる場合は、医療機関の受診を最優先します。

妊娠中に眠れない理由 ホルモンと生活リズムの影響

妊娠中はホルモンの変動により、

  • 寝つきが悪い
  • 途中で目が覚める
  • 眠りが浅い

といった睡眠の変化が起こりやすくなります。

さらに、

  • ストレスや不安
  • 夜間の頻尿

も睡眠の質を低下させる要因です。

まずは、

  • 生活リズムを整える
  • 不安や負担を一人で抱え込まない
  • 周囲の人や専門職に相談する

ことが大切です。

「冷え」と睡眠の意外な関係|東洋医学の視点

東洋医学では、妊娠中にみられる頻尿や眠りの浅さは、「冷え」と深く関係していると考えます。
体が冷えることで水分代謝や自律神経の働きが乱れ、夜間にトイレへ行く回数が増えたり、眠りが浅くなったりすることがあります。

冷えが改善されることで、

  • 夜間トイレに行く回数が減る
  • 眠りが深くなり、目覚めが楽になる

といった変化を経験される方は少なくありません。

鍼灸では、体を内側から温めるケアを行い、睡眠と自律神経のバランスをやさしく整えていきます。

「20代:身体を知り、未来の可能性を守る ― 若いうちからできる“整える妊活”」
というブログで、私たちが行った臨床試験で、お灸が冷えの改善だけでなく、肩こり、むくみ、睡眠の質なども改善することを明らかにした論文の一部をご紹介しています。

この研究では、お灸によって

  • 冷えの改善
  • 肩こりやむくみの軽減
  • 睡眠の質の向上

といった変化がみられ、冷えへのアプローチが全身のコンディションに影響する可能性が示されました。

冷えだけでなく、肩こり、足のむくみ、ぐっすり眠れないなどの症状も改善した

妊娠中も、そして妊娠を考える前の世代にとっても、
「冷えを整えること」は、今の快適さだけでなく、未来の体づくりにつながる大切なケアといえるでしょう。

妊娠中の「不安」も自然な反応です

妊娠によるホルモンの変化は、心にも大きな影響を与えます。
そこに、

  • 体調の変化
  • 生活環境の変化
  • 出産や育児への心配

が重なり、不安が強くなることは決して珍しくありません。

不安を感じたときは、
ご家族、医師、助産師など、信頼できる人に相談することが大切です。

鍼灸ができること 「不調を抱えたまま頑張らない」ために

鍼灸は、

  • 薬を使わず
  • 身体への負担が少なく
  • 妊娠中の不調をやさしく整える

ケアの一つです。

当院では、
妊娠中のマイナートラブルへの対応はもちろん、
産後のサポート体制も見据えた長期的な支援を大切にしています。

「これくらいで相談していいのかな?」
そう思う不調こそ、どうぞ気軽にご相談ください。

次回第7回のテーマは、「逆子(骨盤位)について正しく知る

— 鍼灸はいつ始める? 週数と安全性 —

医師と協働した臨床研究からわかること」です。ご期待ください。

せりえ鍼灸室は、東洋医学の知恵と繊細な技術で、妊娠中をはじめ、その他のステージの女性のからだや妊活もサポートしています。

© 2025 Yoshihiko Koido. 本記事の内容の無断転載・引用を禁じます。

院長 小井土善彦

全日本鍼灸学会認定鍼灸師。京都市生まれ。 ●略歴 旧早稲田鍼灸専門学校卒業 明治国際医療大学大学院鍼灸学専攻博士課程前期(修士)終了(鍼灸学修士) 筑波技術大学客員研究員(2014年~2017年) 全日本鍼灸学会認定委員会審査委員(2014年~2022年) 全日本鍼灸学会経絡経穴委員会委員(2022年~) 現代医療鍼灸臨床研究会会員(評議員) ●教育 神奈川県立衛生看護専門学校 助産師学科 非常勤講師 (2008年~) 森ノ宮医療大学保健医療学部 鍼灸学科 非常勤講師(2009年~2016年) 東京有明医療大学保健医療学部 鍼灸学科 非常勤講師(2016年~) アルファ医療福祉専門学校非常勤講師(2023年~) ●所属学会 全日本鍼灸学会、日本母性衛生学会、日本東洋医学会、日本脳神経外傷学会 ●主な研究テーマ 産婦人科領域における鍼灸治療の研究 軽度外傷性脳損傷および軽度外傷性脳損傷に対する鍼灸治療に関する研究 ●趣味、特技 スキー、音楽鑑賞、読書、写真、旅行、ドライブ、釣り、シュノーケリング、キャンプ、ハイキング、料理、ショッピング、昼寝・・・

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