第2回 更年期の不調は人それぞれ
― のぼせ・冷え・不眠・気分の揺れを東洋医学で読む ―
「更年期」と聞いて、どんな症状を思い浮かべますか?
のぼせやホットフラッシュ、冷え、不眠、イライラ、気分の落ち込み。
確かに、これらは更年期によく見られる不調です。
けれど実際の現場では、同じ年齢・同じ“更年期世代”でも、症状は驚くほど人それぞれです。
「私は暑くてたまらないのに、友人は冷えて仕方ない」
「眠れない日が続く人もいれば、気分の揺れが一番つらい人もいる」

「眠れない日が続く人もいれば、気分の揺れが一番つらい人もいる」
なぜ、こんな違いが生まれるのでしょうか。
同じ更年期でも症状が違う理由
西洋医学では、更年期の不調は「女性ホルモンの急激な変動」が主な原因と説明されます。
これはとても大切な視点ですが、それだけでは説明しきれない“個人差”があります。
東洋医学では、更年期を
自律神経・女性ホルモン・そして「腎(じん)」のエネルギーの変化が重なる時期
として捉えます。
腎は、成長・老化・生殖に深く関わる生命力の源。
この腎の力(腎気)が弱ってくるタイミングに、
・ストレスの受け方
・体質(冷えやすい/熱がこもりやすい)
・これまでの生活習慣
が重なり、症状の出方が変わってくるのです。
のぼせ・冷え・不眠・気分の揺れを東洋医学で読む
たとえば─
- のぼせやホットフラッシュが強い人
→ 体の中の潤いが不足し、熱が上にのぼりやすいタイプ - 手足が冷えてつらい人
→ エネルギー不足で、温める力が弱っているタイプ - 眠れない・夜中に目が覚める人
→ 自律神経の切り替えがうまくいかない状態 - 気分の浮き沈みが激しい人
→ 気の巡りが滞り、感情が体に影響しやすい状態
同じ「更年期の不調」でも、
体が発しているサインはまったく違うことが分かります。
「年齢のせい」で片づけないという選択
「もう年だから仕方ない」
「更年期だから我慢するしかない」
そう言われて、つらさを抱え込んでいる方は少なくありません。
でも東洋医学では、不調は体からのメッセージと考えます。
正しく体を見立て、今の自分に合ったケアを行えば、
更年期は「耐える時期」ではなく、
これからの人生を心地よく過ごすための整え直しの時期に変わります。
自分のタイプを知ることが、セルフケアの第一歩
お灸は、とてもシンプルでやさしいセルフケアです。
けれど、自分の体質や状態に合わない使い方をすると、
「効いている気がしない」「続かなかった」と感じてしまうこともあります。
だからこそ、この教室では
- なぜ今その不調が出ているのか
- 自分はどのタイプなのか
- どんなお灸が合うのか
を、丁寧にお伝えします。
「これ、私のことかもしれない」
そう感じた方は、体がケアを求めているサインかもしれません。
次回予告|第3回は「タイプ別・お灸の使い分け」
次回は、今回お伝えしたタイプをもとに、
更年期世代におすすめのお灸の使い分けを具体的にご紹介します。

はじめての方でも安心して取り入れられる内容ですので、
どうぞ楽しみにしていてください。
せりえ鍼灸室では、医学的な情報と鍼灸のエビデンスを共有しながら、妊娠期だけでなく、更年期を含む女性のライフステージ全体を見据えた鍼灸ケアを行っています。
症状だけでなく、その方の生活背景やこれまでの経過を大切にしながら、医療と連携した無理のない健康支援を心がけています。
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