◎鍼は怖いもの、と思っていませんか?
「鍼(はり)」と聞くと、多くの方がまず思い浮かべるのは「刺す治療」ではないでしょうか。
そして同時に、
・痛そう
・怖そう
・なんとなく体に負担がありそう
そんな印象を持たれることも少なくありません。
実際、当院にも
「興味はあるけれど怖くて受けられない」
「痛い治療なら受けたくない」
というご相談をいただくことがあります。
しかし実は、鍼治療には刺さない方法もあります。
◎ 鍼灸を受けていない理由は「怖さ」かもしれません
明治国際医療大学の矢野忠先生らの調査では、一般の方に鍼灸について尋ねたところ、

「痛くなければ、熱くなければ受けてみたい」
と回答した人が、約30%にのぼることが報告されています。
一方で、日本で実際に鍼灸を受けている人は数%程度にとどまっています。
この差は、効果そのものではなく、
「痛そう」「怖そう」というイメージ
によって生まれているのかもしれません。
もしその不安が少しでも和らげば、鍼灸はもっと身近な医療になる可能性があります。
◎ 鍼には「刺さない」方法があります
鍼治療というと、皮膚に鍼を刺す方法を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし実際には、
・皮膚に触れて刺激を与える方法
・皮膚表面をやさしくなぞる方法
・押圧や摩擦を利用する方法
など、刺さない技術も昔から用いられてきました。
特に乳幼児や子どもの治療では、刺さない鍼は広く使われています。
そして現在では、大人の方にも選択されることが増えています。
◎ はり師が鍼を使う理由
「刺さないなら、なぜ鍼を使うの?」
そう疑問に思われる方もいるかもしれません。
鍼治療の大切な目的の一つは、
ツボの状態を整えること
です。
ツボは固定された点ではなく、体調によって
・硬くなる
・熱を持つ
・押すと痛みを感じる
・冷たく感じる
・凹んでいる
・湿気を帯びている
・むくんでいる
など、さまざまに変化します。
はり師は、その変化を丁寧に触れて確かめながら、適切な刺激を加えていきます。
そしてこの目的は、
刺す鍼でも、刺さない鍼でも共通しています。
◎ 鍼治療は「我慢する医療」ではありません
鍼治療に対して、
「少し痛くても我慢するもの」
というイメージを持たれている方もいます。
しかし本来、鍼灸は
体質や感覚に合わせて刺激を調整できる医療
です。
当院では、
・刺す鍼を使用するか
・刺さない鍼を使用するか
・刺激の強さをどうするか
などを、患者さんと相談しながら決めています。
◎ 鍼が怖い方へ
もし鍼に対して不安や恐怖を感じている場合、それはとても自然なことです。
大切なのは、その不安を無理に我慢することではなく、
安心して受けられる方法を選ぶこと
だと考えています。
◎ 次回予告
次回は、
✔ 刺さない鍼が選ばれる具体的なケース
✔ どんな方に向いているのか
について、詳しくご紹介します。
◎ 刺さない鍼について相談できます
当院では、刺さない鍼から治療を始めることも可能です。
体質やご希望を丁寧に伺いながら、施術方法を一緒に考えていきます。
「鍼が怖い」と感じている方も、どうぞ安心してご相談ください。
せりえ鍼灸室では、医学的な情報と鍼灸のエビデンスを共有しながら、妊娠期だけでなく、乳幼児期から更年期やシルバー世代を含む女性のライフステージ全体を見据えた鍼灸ケアを行っています。症状だけでなく、その方の生活背景やこれまでの経過を大切にしながら、医療と連携した無理のない健康支援を心がけています。
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