鍼治療に興味はあるけれど、不安がある方へ
「鍼は痛そう」
「怖いイメージがある」
「自分に合うのか分からない」
そのような思いを抱えながらも、体調不良に悩み来院される方は多くいらっしゃいます。
当院では、そのような方にも安心して治療を受けていただけるよう、刺さない鍼から施術を始めることがあります。
今回は、刺さない鍼を選択された患者さんの変化をご紹介します。
※プライバシー保護のため、内容は複数の症例をもとに再構成したフィクションを含みます。
◎ 事例1
0歳児 ― 繰り返す下痢と入退院
生後間もない赤ちゃんが、下痢を繰り返し入退院を繰り返していました。
お母さんは、
「できるだけ身体に負担の少ない方法で体調を整えてあげたい」
という思いで来院されました。
治療では、皮膚に触れるか触れない程度の刺激を与える円鍼(えんしん)を使用しました。また、ご家庭では赤ちゃんマッサージを併用していただきました。
治療を続ける中で、少しずつ体調が安定し、元気に過ごせる時間が増えていきました。結果として、下痢による入院を繰り返すことはなくなりました。
お母さんからは、
「触れるだけの治療でも、子どもの反応が変わることに驚きました」
という言葉をいただきました。
◎ 事例2
10歳児 ― お腹の痛みと登校のつらさ
小学生のお子さんが、腹痛により学校生活がつらくなり受診されました。
すでに小児科で整腸剤や漢方薬による治療を受けており、医療的な連携を大切にしながら鍼灸治療を検討することになりました。
治療方法について相談したところ、
「刺す鍼は怖い」
という気持ちが強かったため、
・円鍼による皮膚刺激
・身体に触れない温灸
から治療を開始しました。
治療を続ける中で、少しずつ体調が整い、3回目の施術ではご本人から
「少しなら刺す鍼も試してみたい」
という希望がありました。
そこで、ご本人と相談しながら、細く浅い刺入を1か所のみ追加しました。さらにセルフケアを併用した結果、学校を休まず通えるようになり、現在も体調管理のため定期的に通院されています。

◎ 事例3
40代女性 ― 乳がん術後の不調
乳がん手術後の体調不良に悩み、主治医の紹介で来院された患者さんです。
リンパ節郭清術を受けていたため、医師の指示のもと、刺入しない鍼による施術から開始しました。
治療を続ける中で体調が安定し、現在は、
・郭清側は刺さない鍼
・その他の部位はご本人と相談しながら刺入鍼
という形で施術を継続しています。
患者さんからは、
「方法を相談しながら選べることが安心につながりました」
という感想をいただいています。
◎ 刺さない鍼から始めることで起こる変化
これらの症例に共通しているのは、身体の変化だけではありません。
多くの患者さんに見られるのは、
・治療への不安が軽くなる
・自分の身体に意識が向く
・治療を主体的に選択できるようになる
という心理的な変化です。
鍼治療は、一人ひとりの体質や状態に合わせて刺激を調整できる医療です。
その入り口として、刺さない鍼は大きな役割を担っています。
◎ 鍼治療は「段階的に選べる医療」です
当院では、はじめから施術方法を固定することはありません。
患者さんの体調や希望に合わせて、
・刺さない鍼
・浅い刺入
・通常の鍼施術
などを段階的に選択していきます。
「怖さがなくなったら次の方法を試す」
「今の方法が合っているから続ける」
どちらの選択も大切にしています。
鍼に不安がある方こそご相談ください
刺さない鍼は、
・刺激に敏感な方
・体力が低下している方
・鍼に怖さがある方
・術後など医療的配慮が必要な方
にも対応できる施術方法です。
「鍼に興味はあるけれど不安がある」
そのような方こそ、お気軽にご相談ください。
▶ 次回予告
【シリーズ:刺しません】第10回
はじめての方へ ― 刺さない鍼から始められます
次回は、はじめて来院される方に向けて、
・施術の流れ
・初回相談の内容
・安心して受診するためのポイント
についてご紹介します。
◎ 刺さない鍼について相談できます
当院では、刺さない鍼から治療を始めることも可能です。
体質やご希望、既往歴などを丁寧に伺いながら、施術方法を一緒に考えていきます。
鍼に不安を感じている方も、どうぞ安心してご相談ください。
せりえ鍼灸室では、医学的な情報と鍼灸のエビデンスを共有しながら、妊娠期だけでなく、乳幼児期から更年期やシルバー世代を含む女性のライフステージ全体を見据えた鍼灸ケアを行っています。症状だけでなく、その方の生活背景やこれまでの経過を大切にしながら、医療と連携した無理のない健康支援を心がけています。
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