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【シリーズ:刺しません】第4回:刺さない鍼という道具

見てわかる「やさしい鍼」 ―

「刺さない鍼」と聞いても、

どんな道具なのか
本当に安全なのか
痛みはないのか

不安を感じる方は少なくありません。

そこで今回は、当院で実際に使用している刺さない鍼の一部を、院内で撮影した写真と動画を用いてご紹介します。

鍼灸治療がどのように行われているのかを、できるだけ具体的に知っていただければと思います。

◎ 円鍼(えんしん)

円鍼(えんしん)

円鍼は、先端が丸く加工された刺さない鍼の代表的な道具です。
皮膚に軽く触れたり、なでたり、押したりすることで刺激を伝えます。

こんな大きさで、ステンレス製です。

円鍼の特徴は、

・皮膚を傷つけない
・刺激を細かく調整できる
・刺激に敏感な方でも受けやすい

という点です。

見た目はとても不思議な形をしています。先端の球状の先に小さな突起がないタイプもあります。皮膚に接触する部位を変え刺激感を変化させ、撫でたり圧しつけたりしながら、皮膚にやさしく働きかけます。ツボの状態を整えるために重要な役割を担っています。

大きいサイズの円鍼の使用例。皮膚の変化を観察しながら、刺激量を調整します。

「思っていたよりもやさしい刺激だった」
と驚かれる方も少なくありません。

◎ ローラー鍼(車鍼)

異なるサイズのローラー鍼。これはステンレス製。

ローラー鍼は、小さなローラーが付いた形状をしており、皮膚の上を転がして刺激を伝える道具です。

皮膚の広い範囲に穏やかな刺激が入るため、

・自律神経の調整
・緊張の緩和
・血流の改善

などを目的として使用されることがあります。

ローラー鍼は、心地よさを感じながら施術を受けられることが多く、リラックスして眠ってしまう方もいらっしゃいます。

◎ 日本で受け継がれ発展してきた「小児はり文化」

刺さない鍼は、日本では古くから「小児はり」として発展してきました。

江戸時代から続く伝統的な治療法で、現在でも関西地方を中心に全国で行われています。

小児はりでは、

・さする
・なでる
・軽く押す

といったやさしい刺激を中心に施術を行います。

そのため、

・夜泣き
・便秘
・食欲のムラ
・落ち着きにくさ
・風邪をひきやすい体質

などのケアとして活用されています。

◎ 刺さない鍼は大人にも使われます

小児はりに使用する道具として発展した刺さない鍼ですが、現在では大人の施術にも広く活用されています。

例えば、

・鍼に恐怖心がある方
・刺激に敏感な体質の方
・体調が不安定な方
・手術後など医学的配慮が必要な方

このような場合にも、体への負担を抑えながら施術を行うことができます。

◎ 鍼灸は「選べる治療」です

鍼灸には、

刺す鍼
刺さない鍼

という複数の方法があります。

当院では、体質や症状、そして患者さんのご希望を大切にしながら施術方法を選択しています。

「鍼は怖い」と感じていた方が、刺さない鍼をきっかけに鍼灸を身近に感じてくださることも少なくありません。

◎ 次回予告

次回は、

「刺さない鍼はどんな人に向いているのか」

について詳しくご紹介します。

体質や過去の経験、医療上の理由など、刺さない鍼が選ばれる背景を解説していきます。

◎ 刺さない鍼について相談できます

当院では、刺さない鍼から治療を始めることも可能です。
体質やご希望、既往歴などを丁寧に伺いながら、施術方法を一緒に考えていきます。

鍼に不安を感じている方も、どうぞ安心してご相談ください。

せりえ鍼灸室では、医学的な情報と鍼灸のエビデンスを共有しながら、妊娠期だけでなく、乳幼児期から更年期やシルバー世代を含む女性のライフステージ全体を見据えた鍼灸ケアを行っています。症状だけでなく、その方の生活背景やこれまでの経過を大切にしながら、医療と連携した無理のない健康支援を心がけています。

© 2025 Yoshihiko Koido. 本記事の内容の無断転載・引用を禁じます。

院長 小井土善彦

全日本鍼灸学会認定鍼灸師。京都市生まれ。 ●略歴 旧早稲田鍼灸専門学校卒業 明治国際医療大学大学院鍼灸学専攻博士課程前期(修士)終了(鍼灸学修士) 筑波技術大学客員研究員(2014年~2017年) 全日本鍼灸学会認定委員会審査委員(2014年~2022年) 全日本鍼灸学会経絡経穴委員会委員(2022年~) 現代医療鍼灸臨床研究会会員(評議員) ●教育 神奈川県立衛生看護専門学校 助産師学科 非常勤講師 (2008年~) 森ノ宮医療大学保健医療学部 鍼灸学科 非常勤講師(2009年~2016年) 東京有明医療大学保健医療学部 鍼灸学科 非常勤講師(2016年~) アルファ医療福祉専門学校非常勤講師(2023年~) ●所属学会 全日本鍼灸学会、日本母性衛生学会、日本東洋医学会、日本脳神経外傷学会 ●主な研究テーマ 産婦人科領域における鍼灸治療の研究 軽度外傷性脳損傷および軽度外傷性脳損傷に対する鍼灸治療に関する研究 ●趣味、特技 スキー、音楽鑑賞、読書、写真、旅行、ドライブ、釣り、シュノーケリング、キャンプ、ハイキング、料理、ショッピング、昼寝・・・

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