― 見てわかる「やさしい鍼」 ―
「刺さない鍼」と聞いても、
どんな道具なのか
本当に安全なのか
痛みはないのか
不安を感じる方は少なくありません。
そこで今回は、当院で実際に使用している刺さない鍼の一部を、院内で撮影した写真と動画を用いてご紹介します。
鍼灸治療がどのように行われているのかを、できるだけ具体的に知っていただければと思います。
◎ 円鍼(えんしん)

円鍼は、先端が丸く加工された刺さない鍼の代表的な道具です。
皮膚に軽く触れたり、なでたり、押したりすることで刺激を伝えます。

円鍼の特徴は、
・皮膚を傷つけない
・刺激を細かく調整できる
・刺激に敏感な方でも受けやすい
という点です。
見た目はとても不思議な形をしています。先端の球状の先に小さな突起がないタイプもあります。皮膚に接触する部位を変え刺激感を変化させ、撫でたり圧しつけたりしながら、皮膚にやさしく働きかけます。ツボの状態を整えるために重要な役割を担っています。
「思っていたよりもやさしい刺激だった」
と驚かれる方も少なくありません。
◎ ローラー鍼(車鍼)

ローラー鍼は、小さなローラーが付いた形状をしており、皮膚の上を転がして刺激を伝える道具です。

皮膚の広い範囲に穏やかな刺激が入るため、
・自律神経の調整
・緊張の緩和
・血流の改善
などを目的として使用されることがあります。
ローラー鍼は、心地よさを感じながら施術を受けられることが多く、リラックスして眠ってしまう方もいらっしゃいます。
◎ 日本で受け継がれ発展してきた「小児はり文化」
刺さない鍼は、日本では古くから「小児はり」として発展してきました。
江戸時代から続く伝統的な治療法で、現在でも関西地方を中心に全国で行われています。
小児はりでは、
・さする
・なでる
・軽く押す
といったやさしい刺激を中心に施術を行います。
そのため、
・夜泣き
・便秘
・食欲のムラ
・落ち着きにくさ
・風邪をひきやすい体質
などのケアとして活用されています。
◎ 刺さない鍼は大人にも使われます
小児はりに使用する道具として発展した刺さない鍼ですが、現在では大人の施術にも広く活用されています。
例えば、
・鍼に恐怖心がある方
・刺激に敏感な体質の方
・体調が不安定な方
・手術後など医学的配慮が必要な方
このような場合にも、体への負担を抑えながら施術を行うことができます。
◎ 鍼灸は「選べる治療」です
鍼灸には、
刺す鍼
刺さない鍼
という複数の方法があります。
当院では、体質や症状、そして患者さんのご希望を大切にしながら施術方法を選択しています。
「鍼は怖い」と感じていた方が、刺さない鍼をきっかけに鍼灸を身近に感じてくださることも少なくありません。
◎ 次回予告
次回は、
「刺さない鍼はどんな人に向いているのか」
について詳しくご紹介します。
体質や過去の経験、医療上の理由など、刺さない鍼が選ばれる背景を解説していきます。
◎ 刺さない鍼について相談できます
当院では、刺さない鍼から治療を始めることも可能です。
体質やご希望、既往歴などを丁寧に伺いながら、施術方法を一緒に考えていきます。
鍼に不安を感じている方も、どうぞ安心してご相談ください。
せりえ鍼灸室では、医学的な情報と鍼灸のエビデンスを共有しながら、妊娠期だけでなく、乳幼児期から更年期やシルバー世代を含む女性のライフステージ全体を見据えた鍼灸ケアを行っています。症状だけでなく、その方の生活背景やこれまでの経過を大切にしながら、医療と連携した無理のない健康支援を心がけています。
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