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第6回 20代:身体を知り、未来の可能性を守る ― 若いうちからできる“整える妊活

「いつか子どもを持ちたい」と考えている20代の方へ。
妊活は30代から始めるもの――そんなイメージをお持ちではありませんか?
実は、20代から“整える妊活”をしておくことで、将来の妊娠への可能性を守ることができます。

本記事では、月経リズムの観察、過度なダイエット・ストレスのリスク、避妊とパートナーとの対話、そして鍼灸で叶える冷えにくい身体づくりまで、20代が知っておきたい「身体の整え方」を東洋医学の視点から分かりやすく解説します。

当たり前の元気が、腎気(妊娠に重要な役割を担っている生命エネルギーの元)を養うために最も重要。月経が順調で、健康状態も良好な20代は、人生で腎気が最も充実している時期なので、余計な心配をする必要はありません。

それでも、なぜ20代から“整える妊活”が必要なのか

妊娠しやすさ(生殖力・妊娠力)は、20代が最も高い時期です。月経が順調で、食欲があり、お通じも良く、ぐっすり眠れて疲れていても朝になったらすっきり起きられる。そんな健康な方が妊娠を希望して、適正なタイミングに合わせて性生活を送ることができれば、多くの方は自然に妊娠することが可能な時期です。2~3か月(月経2~3周期)経過しても妊娠に至らない場合は、タイミングの時期を見直しましょう。排卵日の2日前が最も妊娠しやすい時期です。それでも、妊娠に至らない場合は、女性不妊要因として2番目に多いと言われてい卵管因子の可能性があるので、婦人科での検査が必要になります。また、不妊原因の半分を占めている男性側に問題がある可能性もあるので、パートナーの健康状態を調べるために検査(泌尿器科や婦人科に相談)をすることをお薦めします。

一方、それまで順調だった周期が乱れ、おおよその目安として3か月以上その状態が継続する場合は、多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovarian syndrome:PCOS)、甲状腺やプロラクチンなどホルモンの異常が妊娠しにくい要因となっているかも知れません。その場合は、医療機関で検査をして、原因に応じた適切な治療をすることをお薦めします。

東京都をはじめ、各種の検査を受ける際に補助金が支給される制度を設けている自治体もあるようですので、活用するのも良いですね。「プレコンセプションケア」「自治体名」で検索してみてください。

しかし、体力に余裕があり若さに物言わせて動けるこの年代は、

  • 不規則な生活
  • ストレス
  • 過度なダイエット
  • 月経リズムの乱れ
    が起こりやすく、気づかないうちに生殖機能に負担をかけていることも少なくありません。女性アスリートの健康問題にもなっている過度なダイエットや月経リズムの乱れは、妊娠に与える影響だけでなく、骨がもろくなることで骨折を引き起こす要因にもなるので、注意が必要です。

東洋医学では、若いうちから「腎気を損なわない生活」「身体の巡りを整える習慣」を作ることが、未来の妊娠力と健康を守る土台になると考えています。

WHO(世界保健機関)が提唱しているプレコンセプションケアの考え方とも共通するものがありそうです。

1. 月経リズムを観察する

20代で最も大切なのは 「自分の身体のリズムを知ること」

チェックしたいポイント

  • 月経周期は25〜38日の範囲に入っているか
  • 出血量の変化
  • 痛みの程度
  • 生理前の不調(PMS)
  • 基礎体温のパターン(つけられる人は)

“いつもと違う”変化に早く気づけることは、将来自分の健康を守ることにもつながります。

月経は、身体の調子を教えてくれる女性の健康「バロメーター」です。

2.過度なダイエット・ストレスが与える影響

20代に多いのが、体重の急な増減や食事制限。
過度なダイエットやストレスは、ホルモン分泌や排卵に大きく影響します。

【東洋医学では】

  • 食事を極端に減らす → “気血が不足する”
  • ストレスが強い → 気が滞り、月経痛・無排卵の原因に
  • 睡眠不足 → 腎気を消耗
  • 運動不足 → 気血が巡らない

鍼灸医学でも、妊娠に必要なのは 「十分な気血」と「巡りの良い状態」
ダイエットやストレスは、この土台を崩してしまいます。

3.避妊の理解と、パートナーとの対話

20代では、避妊の選択やパートナーとの関係性も、将来の妊活に影響します。

知っておきたいこと

  • ピルは卵巣の“休息”になり、将来妊娠できなくなるわけではない
  • 性感染症は妊娠力に影響する可能性がある
  • パートナーとの価値観の共有は妊活のスタートライン

「避妊をどう考えるか」「将来の妊娠をどう見据えるか」を、早めに対話することは、のちの妊活をスムーズにします。

4.鍼灸で育む“冷えにくい身体づくり”

20代は本来エネルギーが豊富ですが、現代の生活では以下が原因で“冷え体質”になりがちです。

  • ミニスカート・薄着
  • 冷たい飲み物の習慣
  • デスクワーク・運動不足
  • シャワー中心の生活

鍼灸がサポートできること

  • 血流の改善
  • 自律神経の調整
  • 手足の冷えの緩和
  • 月経リズムの安定
  • ストレスによる巡りの停滞を解消

東洋医学の一つである鍼灸医学は、鍼灸による治療だけでなく、冷え対策や体質づくりに有用です。せりえ鍼灸室では、ご希望のある方には、日常生活に取り入れやすいセルフケア法を、ひとり一人の状況に合わせてご提案しています。お灸も、自宅でできるセルフケア法の一つ。当院の副院長が中心となり実施したお灸の臨床研究では、冷えの自覚のある女性49名(年齢18歳~39歳)をお灸群とレッグウォーマー群にランダムに2群に分け、お灸の有効性を検討したところ、温灸(火傷にならない程度の温度に適切にコントロールしたお灸)は、レッグウォーマーを着用し冷え対策をしたグループよりも、冷え症の程度だけでなく、肩こり、むくみ、熟眠感など併存する症状の苦痛度を軽減させ、その効果がお灸を中止しても継続することを明らかにしました。妊娠や出産で大量に消費する腎気(生命エネルギー)は、冷えに弱い性質があるので、冷えは禁物です。

当院が監修した「ゆったりおうちで体質改善 妊活お灸」河出書房新社2015年発行には市販されているお灸を使ったセルフケア法が書かれています。

妊娠を意識するのはまだ先でも、“妊娠しやすい身体の基礎”は20代から育てられます。冷えの自覚がある方は、冷え対策を心掛けましょう。

下のグラフに、副院長が主宰している女性鍼灸師フォーラムのホームページに掲載されている「お灸ってすごい」のリーフレットから引用し掲載します。

冷えだけでなく、肩こり、足のむくみ、ぐっすり眠れないなどの症状も改善した
お灸を中止した後も、効果が持続した

まとめ:20代は「知る」ことが最大の武器になる

20代は、身体づくりの余裕がもっともある年代です。

  • 身体のリズムを知る
  • 無理なダイエットを避ける
  • ストレスケアの習慣をつくる
  • 避妊・将来設計について対話する
  • 冷えにくい身体を育てる

これらを積み重ねることで、30代以降の妊活を大きく支えることができます。

この記事の内容について、動画でもわかりやすく解説しています。
初めて鍼灸を受けるか迷っている方にもおすすめです。
文章では伝えきれないポイントもお話ししていますので、ぜひこちらもご覧ください。
YouTube動画はこちら

次回第7回のテーマは、「30〜34歳:整える力と受け入れる力を高める」です。ご期待ください。

せりえ鍼灸室は、東洋医学の知恵と繊細な技術で、妊娠中だけでなく、その他のステージの女性のからだや妊活もサポートしています。

© 2025 Yoshihiko Koido. 本記事の内容の無断転載・引用を禁じます。についてお伝えします。

院長 小井土善彦

全日本鍼灸学会認定鍼灸師。京都市生まれ。 ●略歴 旧早稲田鍼灸専門学校卒業 明治国際医療大学大学院鍼灸学専攻博士課程前期(修士)終了(鍼灸学修士) 筑波技術大学客員研究員(2014年~2017年) 全日本鍼灸学会認定委員会審査委員(2014年~) 現代医療鍼灸臨床研究会会員(評議員) ●教育 神奈川県立衛生看護専門学校 助産師学科 非常勤講師 (2008年~) 森ノ宮医療大学保健医療学部 鍼灸学科 非常勤講師(2009年~2016年) 東京有明医療大学保健医療学部 鍼灸学科 非常勤講師(2016年~) ●所属学会 全日本鍼灸学会、日本母性衛生学会、日本東洋医学会、日本脳神経外傷学会 ●主な研究テーマ 産婦人科領域における鍼灸治療の研究 軽度外傷性脳損傷および軽度外傷性脳損傷に対する鍼灸治療に関する研究 ●趣味、特技 スキー、音楽鑑賞、読書、写真、旅行、ドライブ、釣り、シュノーケリング、キャンプ、ハイキング、料理、ショッピング、昼寝・・・

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