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第9回 40歳代:知ることと整えることから始める

―今の身体を大切にしながら未来を見据える妊活へ

40代の妊活は、「現実を知ること」と「身体を整えること」の両方が欠かせません。
不妊治療の保険適用は42歳までで、妊娠・出産・産後の身体には30代とは異なる課題が生じます。また、体質の変化や更年期の入り口に差しかかる年代でもあり、月経・睡眠・消化といった日常のサインを丁寧に観察することが重要です。
本記事では、40代妊活のポイント、産後の見通し、身体づくりの方向性、そして鍼灸でできるサポートをご紹介します。

1. まず知っておきたい現実―不妊治療の保険適用は42歳まで

不妊治療の実態に関する調査研究によると、不妊治療の平均費用は、人工授精(手技及び検査含む)は平均30,166円、体外受精は501,281円とのことでした。(野村総合研究所 2021年(医療機関側のアンケートよりhttps://www.mhlw.go.jp/content/000766912.pdf 20220301参照)。不妊治療の費用が、妊活中の方々にとって大きな経済的負担になっている実態が分かりました。

そこで、令和4年(2022年)4月から、人工授精等の「一般不妊治療」、体外受精・顕微授精等の「生殖補助医療」について、公的保険が適用されることとなり、経済的な負担が軽減しました。

しかし、不妊治療(ART:体外受精・顕微授精など)の保険適用は、
採卵が42歳未満であること が条件です。42歳を過ぎると自由診療となり、総治療当たりの生産率は4.2%、流産率は47.3%と医療が発展した現代の日本でも、ARTによる出産の確率は非常に低くなります。

そこで、40〜41歳の妊活では、以下が重要になります。

  • どの治療を、いつまでに行うか
  • 卵巣機能(AMH)・基礎疾患・既往歴の確認
  • 自分の身体が治療に耐えられる状態かどうか

「時間的リミットがある」という事実を知ることは、不安を煽るためではなく、自分に合った妊活の選択ができるようになるための大切な第一歩です。

2. 40代の妊娠・出産は“産後”も見据えて

―回復の確保・産後ケアの調査・パートナーとの協働

40代の妊娠・出産では、産後の回復に時間がかかりやすく、夜間授乳の負担も大きくなります。

特に注意したい点は次の通りです。

〇産後ケアの活用(自治体で制度が異なる)

・産後ケアは宿泊型・通所型・訪問型などがあり
・費用補助の内容、利用条件、予約方法が自治体で大きく異なる

妊娠前から調べておくと、産後の不安がぐっと減ります。

〇夜間授乳の負担を見据えた“パートナーとの協働”

40代産後は、睡眠不足が続くことで身体の回復が遅れやすい年代です。
妊活の段階から、家事・育児の分担や働き方の調整など、「共に子育てする体制」を話し合っておくことが大切です。

3. 妊娠だけでなく、その先の“更年期”も視野に

―長く続く身体づくりへ

40代は、妊娠を目指しながらも、その後すぐに迎える更年期の変化を同時に考える必要があります。

更年期は、卵巣機能の低下に伴い、ホルモンバランスが自然に変化する時期です。

  • のぼせ
  • 冷え
  • 疲れやすさ
  • 情緒の揺れ
  • 睡眠の質の低下

こうした症状は妊活と重なって現れることも多く、“今の身体を整えること”が、そのまま更年期ケアにもなるのが40代妊活の特徴です。

4. 月経・睡眠・消化… 日常の変化への“気づき”が妊活の道しるべ

40代では、身体の変化が細部に現れやすくなります。

  • 月経周期の短縮/延長
  • 経血量の変化
  • 月経痛の強弱
  • 睡眠の質の低下
  • 食後の疲労感や胃もたれ

これらは「体質の変化のサイン」であり、妊娠力にも直結します。

“無理をしない身体の使い方”を覚えていくことが、妊活でも更年期でもとても大切です。

5. 鍼灸が支えるのは「穏やかな変化の受け入れ」

―身体と心の余白をつくるケア

40代の妊活において鍼灸は、

  • 自律神経の調整
  • 睡眠の質の向上
  • 冷え・むくみの改善
  • 血流循環の促進
  • 気持ちの落ち込み・焦りの緩和

など、身体と心の“土台づくり”を支える役割があると思っています。

妊娠はもちろん、その前後も含めた長く続く身体の変化を穏やかに受け止める力を養うサポートができます。

6. 自分の人生を肯定する力―どの選択も“正しい選択”

40代妊活では、ときに周囲と比べて落ち込むこともあるかもしれません。
しかし妊娠・出産・治療の選択は本来、誰ひとり同じではありません。

  • 仕事や家族
  • 体力
  • 経済状況
  • 人生の価値観
  • パートナーとの関係

どの選択も、その人が大切にしたいものに基づいて行う“正しい選択”です。

せりえ鍼灸室は、
自分の身体を信頼し、自分の人生を肯定しながら進める妊活”を応援しています。

この記事の内容について、動画でもわかりやすく解説しています。
初めて鍼灸を受けるか迷っている方にもおすすめです。
文章では伝えきれないポイントもお話ししていますので、ぜひこちらもご覧ください。
YouTube動画はこちら

次回第10回のテーマは、「まとめ:自分の身体と共に生きる」です。ご期待ください。

せりえ鍼灸室は、東洋医学の知恵と繊細な技術で、妊娠中をはじめ、その他のステージの女性のからだや妊活もサポートしています。

© 2025 Yoshihiko Koido. 本記事の内容の無断転載・引用を禁じます。についてお伝えします。

院長 小井土善彦

全日本鍼灸学会認定鍼灸師。京都市生まれ。 ●略歴 旧早稲田鍼灸専門学校卒業 明治国際医療大学大学院鍼灸学専攻博士課程前期(修士)終了(鍼灸学修士) 筑波技術大学客員研究員(2014年~2017年) 全日本鍼灸学会認定委員会審査委員(2014年~) 現代医療鍼灸臨床研究会会員(評議員) ●教育 神奈川県立衛生看護専門学校 助産師学科 非常勤講師 (2008年~) 森ノ宮医療大学保健医療学部 鍼灸学科 非常勤講師(2009年~2016年) 東京有明医療大学保健医療学部 鍼灸学科 非常勤講師(2016年~) ●所属学会 全日本鍼灸学会、日本母性衛生学会、日本東洋医学会、日本脳神経外傷学会 ●主な研究テーマ 産婦人科領域における鍼灸治療の研究 軽度外傷性脳損傷および軽度外傷性脳損傷に対する鍼灸治療に関する研究 ●趣味、特技 スキー、音楽鑑賞、読書、写真、旅行、ドライブ、釣り、シュノーケリング、キャンプ、ハイキング、料理、ショッピング、昼寝・・・

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